ホーム 「ほめ写」コラム Vol.15 ほめ写実施レポート:こども園でのほめ写取り組み事例

Homesya project Vol.15 ほめ写実施レポート:
こども園でのほめ写取り組み事例

解説:発達心理学者 岩立京子

2022/03/31

「ほめ写」はご家庭だけでなく、保育・教育の現場でも取り入れられています。名古屋市にある幼保連携型認定こども園「稲葉地こども園」では、2018年から毎年秋に実施する作品展で「ほめ写」を取り入れているそうです。今回は、すでに4度目の試みとなった2021年に実施された、工夫満点の作品展の様子をご紹介します。

こちらが会場入り口の様子です。「ほめ写」の説明やほめるときのポイントが掲示されています。とくに注目したいのは、『魔法の誉め言葉「さしすせそ」』。いざほめ写をやろうと思っても、子どもにどう声をかけてほめたらいいのか悩むことも多いはず。そんな時に使えるほめ言葉が「さしすせそ」から始まる言葉でまとめられています。覚えやすくて、すぐに使えそうですよね。

「ほめ写」の展示コーナーでは、写真を貼って、そのまわりにママやパパからの「ほめコメント」を記入できる吹き出しをあしらったテンプレートが使われています。

写真にまつわるママやパパや家族からの心のこもったほめコメントを読むと、とても温かい気持ちになりますね。このように写真と一緒にほめコメントを載せることで、毎回言葉で伝えなくても、見るたびに子どもは愛されていることを実感できるので、とてもおすすめの方法です。
(ほめ写プロジェクトでも写真を貼ってコメントも記入できるデザインシートを提供していますので、ぜひお使いください!
ほめ写デザインシートはこちら。

作品展では、子どもたちも自分やお友達の写真を見つけて喜んで指をさしたり、楽しそうに眺めていたそうです。また、保護者の方からも「普段子どもから耳にするお友だちがどんな子か、このほめ写の展示を通じてさらに知ることができた」、「我が子の成長に気づいたり、振り返ったりするよい機会になった」、「普段子どもに怒ってしまうこともあるが、コメントを書いたように、子どものよいところをたくさん見つけて、ほめてあげたいと思った。」といった声が寄せられたそうです。

「ほめ写」で生まれる「うれしい触れ合い、育ち合い」
                東京家政大学子ども学部 子ども支援学科 教授 岩立 京子先生のコメント

「ほめ写」は、親が子どもをほめて育てるだけではなく、子どもも親も先生も育つ活動です。稲葉池こども園では、保護者だけでなく子どもにもわかりすい『ほめ言葉の「さしすせそ」』を導入し、みんなで参加する活動としているところが素晴らしいですね。また、写真の中の子どもの嬉しさや好奇心あふれる表情、保護者の方の愛情あふれるコメントが印象的でした。「ほめ写」を通して、保護者は、子どもに対して温かい眼差しで「よいところ探し」をすることをあらためて学び、子どもは保護者からの温かい眼差しのもと、嬉しさや安心感をもち、自分の力を思う存分発揮しやすくなったり、他者に対する「よいところ探し」の眼差しを学んでいくことでしょう。そして、それらが質の高い保育・教育の実践につながっていくのだと思います。このような「ほめ写」の取り組みが、全国の保育・教育の場にもっと広がっていくとよいですね。

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